自由のドア

島根、ローカルジャーナリズム、ときどき鉄道

理論と実践の往還を目指す「往還ゼミ」〜2022年度島根大学社会教育主事講習

2022年度は初めて島根大学社会教育主事講習でゼミを持たせてもらいました。理論と実践の往還を目指す「往還ゼミ」で、輪読ありの異色のゼミでしたが、問題意識を共有するゼミ生5人が全国から集まり、強力サポーターとともに、濃い半年間を過ごすことができました。

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往還ゼミでは、忙しいのに全員がきちんと課題図書を読み込んできて、だからこその目線が合った質の高い議論ができ、お互いに問いやコメントを自然に言い合って、毎回感動に次ぐ感動でした!私も学ばせてもらったし、これからも長くお付き合いできる大人の友人ができたことは、本当に喜びです。

先日はお疲れさま会も兼ねて、私の地元浜田に全員集合。大型リノベーションを検討している金城町美又エリアの物件の見学などフィールドワークをしてから、fathersで美味しい夕食を囲みました。ただただ楽しかった。往還ゼミの様子を、サポーターの奥田麻依子さんがまとめてくれているのでぜひぜひご覧ください。

社会教育主事講習は2023年度も開催予定で、その場合はまたゼミを担当することになる見通しです。全国の皆さん、よかったら飛び込んでみてください。お待ちしています!

麻依子さんのまとめより
集中して短期間でプロジェクトを進めることも価値があります。でも、じわじわ効いてくる歴史への理解や理論、多様な立場のメンバーでの対話、次につながる新しい問いが自分を、現場を動かすこともあると思うのです。
そんなことを感じた半年間の往還ゼミでした。

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ゴミ問題には社会の矛盾が凝縮されている〜京都でのイベント無事に終わりました

報告遅くなりましたが、大学時代からの友人・京大准教授の浅利美鈴さんと元京大総長の山極壽一さん、同じく京大で茅葺を研究しておられる真常先生との対談、無事に終わりました。来てくださった方々、関係者の方々に感謝です。

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美鈴さんは学生時代からゴミ問題に関心があり、当時、「なぜゴミ問題なのか」と聞いたところ「社会の矛盾が凝縮されているから」と鮮やかに答えて、感動したことを覚えています。今でも変わらず貫いている姿に、また感動しました。

さらに、28歳で亡くなった大切な仲間の一人・浅田真由美さんを見送りに行った福井で、人生の向き合い方を誓いあったことも忘れられません。そういう意味で、美鈴さんは一緒に働いたり近くにいたりしたわけではないのですが、やっぱり同志です。今回も貴重な機会をありがとうございました…!!

 

『関係人口の社会学』日本社会関係学会賞最優秀賞の授賞式@千葉

著書『関係人口の社会学』が日本社会関係学会賞の最優秀賞をいただき、授賞式@千葉大学でした。学術学会の賞をいただけるなんて信じられないというか感無量です。指導教員の吉川先生、そして島根をはじめとしてこれまで育てて応援くださった皆さまのおかげです。ありがとうございました!!!

良き伴走者だった大阪大学出版会の編集者・板東詩おりさんと記念撮影&駅ナカ角打ちでささやかに乾杯🥂

 

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地方で食っていくには…?鳥取・汽水空港と出雲・句読点でのトーク

鳥取・汽水空港と出雲・句読点という2つの素敵な独立系書店でのイベント、どちらも本当にいい時間を過ごさせてもらいました!

 

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テーマは仲間と創刊した年刊誌『みんなでつくる中国山地』003号で特集した「地方で食っていく」で、汽水空港では、食っていく=一種の生態系に入るイメージ、だけど、そこに入れるかがとても重要で、それは運次第なのか?いやいや、関係性(つながり)あってこそなのかな?などなど超面白い議論ができました。

句読点では考えるパンKOPPEの吉田夫妻はじめ会いたかった方がたくさん来てくれて、さすがご縁の国!集合写真を撮り損ねたことが悔やまれまくりです。

汽水空港でも句読点でも周りにどんどん面白いお店ができてきていて、小さな営みの一つ一つがまちをつくり、変えていくんだな、地方にいい風が吹いてきているなと励まされました。関係者の皆さま、参加してくださった皆さま、ありがとうございました◎

3/25(土)山極壽一さんと京都でトークします(ライブ配信あり)

山極壽一さんといえば、京都大学の元総長でゴリラ研究の第一人者として著名な方。なんとトークする機会をいただきました。大学時代からの大切な友人、浅利美鈴ちゃんのお声がけです。手強いですよ、とのことで、ドキドキです…!3/25(土)無料ライブ配信もあるので、ぜひ応援も兼ねて覗きに来てください…!!

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2023年3月25日 第37回ニッセイ財団環境問題助成研究WS  農山村を持続可能で豊かな暮らしの教育拠点にするための実践研究-京都の里山「京北」を舞台に
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「京都・農山村のSDGs教育拠点化」研究会では、2020年度より、京都市右京区京北地域をフィールドに、農山村を持続可能で豊かな暮らしの教育拠点にするための実践研究を展開してきました。教育、植物・土壌、心理など、全く異なる専門を持つ研究者が、中高生や大学生、地域の方々とかかわりながら、地域の教育資源の発掘と可視化、それらを活用した教育プログラムの開発、プログラム参加者の心の変化や成長などについて研究を進めてきました。その成果をまとめると同時に、今後のさらなる研究や取り組みの可能性について、しっかりと対話したいと考えています。
第一部 11:00~12:30 開会及び「農山村の現状と可能性」
第二部 13:15~13:55 農山村から萌芽する夢
第三部 14:00~16:00 SDGs問答「農山村から社会を変える教育を」
〇特別ゲスト
総合地球環境学研究所 所長 / 日本生命財団 会長  山極壽一
島根県立大学 准教授  田中輝美

浅利美鈴ちゃんとは6年ぶり!

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3/18(土)鳥取・汽水空港と出雲・句読点でトークします

今週末3/18(土)10:00〜鳥取「汽水空港」、17:00〜出雲「句読点」というとっっても素敵な2つの本屋さんでトークに出演させてもらいます。あの空間を味わってほしい&面白い人が集まるので、この機会にぜひぜひぜひお越しくださいませ!

@汽水空港『みんなでつくる中国山地』出版記念トーク〈シン「食っていく」論〉~つくる、つながる、生き延びる~
編集部の田中輝美さん、松浦生さん、森田一平さんと共に「シン食っていく論」を展開します。汽水空港としても、常に「田舎で本屋は成立するのか?」という問いと並走し続けています。
お集まり頂く様々な立場の方々と共にこれからの新しい「食っていく」を探る時間になればと思います。是非ご参加ください。様々な仕事が食っていけるように、様々な残るべき事柄が残るように、中国山地をみんなでつくっていけたら。

@句読点 考えるパンKOPPEさんのパンと焼き菓子販売とトークイベント
15時〜 パンと焼き菓子販売(売り切れ次第終了)
17時〜 『みんなでつくる中国山地』編集の田中輝美さんを交えてのトークイベント
現在富山県氷見市で「考えるパンKOPPE」を営んでいる吉田さん一家が句読点でパンと焼き菓子の販売と、トークイベントをしてくださることになりました!吉田さんのご実家がここ出雲にあって、学生時代には句読点のある通りもよく通っていたそうです。
「考えるパンKOPPE」という店名の通り、パンや焼き菓子だけでなく、本も販売されているそうです。詳しくは、ミシマ社さんのウェブサイトでも取材されています。(【みんなのミシマガジン 考えるパンKOPPE】で検索したら出てきます)
当日は、うちもKOPPEさんも扱っている『みんなでつくる中国山地』編集の田中輝美さんをお招きして、トークイベントも企画しています。地方で小さなお店をやること、食べていくこと、なぜ本を扱うのか、店をやって見えてきたこと、などさまざまなことについてお話しできたらと思います。会場は15席ほど予定していますが、インスタライブ配信も予定しています。参加無料です。ぜひご参加ください。

 

『関係人口の社会学』が第1回日本社会関係学会賞の最優秀賞を受賞

著書『関係人口の社会学』(大阪大学出版会)が、第1回日本社会関係学会賞の最優秀賞をいただくことになりました。発刊から1年10ヶ月、まったく予想していなかったので、とても驚きつつ、本当に嬉しくありがたいことで、この本に関係する皆さまはもちろん、これまで応援、支えてくださっている皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです…!!!!!しっかり精進していきたいと思います。

 最優秀賞に輝いた田中輝美『関係人口の社会学-人口減少時代の地域再生』は、近年関心が高まる「関係人口」という分析概念・枠組みにより、人口減少が著しい地方の再生を目指して、地方に密着して長年観察し続けた研究成果をまとめた力作である。「関係人口」について社会学の既存研究を丁寧にフォローしており、3地域の事例研究も質的に深い洞察がある。さらに、地域再生の担い手育成という観点から、「関係人口」を社会関係資本と関連づけ、住民目線から、半ば当事者として課題意識を持ち、考察している。文章や図表も丁寧かつ魅力的である。丹念な事例研究に基づいて新たなソーシャル・キャピタル論を展開していることが高く評価された。