自由のドア

島根、ローカルジャーナリズム、ときどき鉄道

島根の「石見銀山生活文化研究所」グリーンズで全6回、連載しました

地元・島根の石見銀山生活文化研究所。グリーンズで連載6回を担当させていただきました。松場忠さんと妻の奈緒子さん、三浦類くん、鈴木良拓さん、そして松場大吉さん・登美さん。一度じっくり話を聞きたいという方たちばかりで、心から楽しくてエキサイティングな取材でした。

しかし。大吉さんと登美さんの原稿は、史上最大と言っていいくらい悩み、苦しみました。お二人が話す縦横無尽の言の葉はさすが含蓄があって深くて面白いのですが、それをそのまま書いても伝わりにくい。お二人が目指している世界観や現代社会における価値は、どういう切り口で、どうやったら表現できるのか…石見銀山生活文化研究所発行の「ぐんげんどう」に載っている年表や二人の歴史を参考にしながら構成していきました。せっかく貴重な時間と機会をもらったのに、これで伝わるのか、本質を外していないか、プレッシャーに押しつぶされそうで、あまりに苦しくて、途中実は泣きながら書きました…いつも的確にアドバイスをくれたグリーンズシニアライターの松山さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

あらためて、地元島根の営みや人々を記録・発信できることは、ローカルジャーナリストとしてうれしくありがたいことで、担当できたことを誇りに思います。機会を与えてくださった皆さま、本当にありがとうございました!

記事はこちら。ぜひぜひ読んでみてくださいね!
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シリーズ「石見銀山のくらしびと」

 

 

 

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松山さんが書かれた大森町の人々を紹介するシリーズも面白いので、こちらもぜひ読んでみてください!

石見銀山の暮らしびと(大森町編)

学びのコミュニティをつくりたい〜現代を知り、考える記事7選

インプットばっかりだったので、久しぶりにアウトプットしたくなりました。最近は基本的に毎日、本や論文を読み、まとめ、論文構想を考えるという日々です。

もちろん先行研究として偉大な先人たちの古典や論文など過去から学ぶこともたくさんあるのですが、私の博論では現代的な変化も踏まえたいと思っているので、現代がどのような時代であるのかを知り、考えをアップデートするための記事や情報はTwitterを中心に収集をしています。そういう中で、最近、興味深い記事が多かったので、備忘録的に現代と未来を考える上でのキーワードとともにまとめておきます。

1)人口減少

今日は朝からこの記事を読んで泣いてしまった…この記事に登場する田中さんは友人で、田中さんが教えてくれました。人口減少時代、消える集落や地域もあるし、それは1つの事実として、過剰に否定したり拒むことなく受け止めよう、と思っていました。(私のおばあちゃんちも限界集落です)でもこれまでは、なんとなくそこまで言うことにためらいがあって、避けていたなあと、自分が逃げてきたことを明確に自覚しました。ここにもう少しきちんと向き合って表現していきたいと思います。

 

2)フェイクニュース

情報戦のルールチェンジ。「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)」の登場。トランプが見つけた未開拓の鉱脈。これからのメディアやジャーナリズム、政治を考える上で避けては通れない視点を提供してくれている記事です。最後の”メディアとPR、情報と編集、嘘と真実。その「境界線」は思っているよりも明確ではない”というのはその通りで、そのわかりにくさを抱きしめる在り方がなんかできないかなあ。必要なのは”「揺らぎ続ける覚悟」”と書いてあるのですが、覚悟というのは、人を遠ざけてしまいがちな言葉なので、覚悟ではない、何かもっと包摂できる言葉を見つけたい。

 

3)ネットワーク・つながり

AIが社会や私たちの暮らしをどう変えるのか、というのもかなり関心事になっていますよね。この記事の中でも関心を持ったのは、AIとアイデンティティやネットワークについて言及してある部分。ちょっと長いですが引用します

”AIの出現により、わたしたちは内なる他者と向き合わなければならなくなります。わたしとは誰なのか、わたしは何を欲しているのか、何を幸せに思うのか。それらがAIによって規定される前に、まずは自分と向き合う必要があるのではないでしょうか”。

そのためにも”人為的に『自然』をつくること、だと考えています。日常生活から離れ、自由に思索をすることで〈わたし〉を捉え直す機会をつくること””いまのネットワーク社会において『つながらない』ことはレアで贅沢であり、幸福なことだと思うんです。インターネットにつながらない状態になることは、AIネットワークシステムから切り離されることであり、それはデータが示す〈わたし〉から逃れる行為であるとも言えるかもしれませんね”

つながりすぎの社会でつながらないことやクローズな世界を持つことの重要性、というのは漠然と感じてきたことだったので、共感したのと、だからこそ、ここで鉄道の出番ですよ、みたいな(笑)いままであまりこういう語り方はしたことがなかったのですが、実は、鉄道に乗っている時間が私を強くしたと確信的に思っています。それは、鉄道に乗って旅をしていると、日常やしがらみから切り離されてフラットになるんですよね。自分を見つめ直して、まさに思索する贅沢な時間。現代にはこういう時間を取ることが難し過ぎるし、だから鉄道も衰退しているわけですが、もう少し取り戻されていいのではないかと。

 

4)テクノロジー(デジタル)

本が大好きで、ジャーナリズムとは何かと聞かれると究極的には記録だと答えている私にとって、デジタル時代に本と記録を残すということをどう考えるべきかと真正面から問うこの記事は刺激的でした。

”本とはようするに「残された記録」のことだとすれば、考えるべきはさまざまな著作や文物を後世に伝えるための仕組み全体だ”

”むしろ知性も教養もあり、書物を愛する者でさえもが、敵対する文明の容赦なき破壊者でありえたのだ”

電子書籍はこれまで、「未来に残す」という、本にとって最も大切な役割を果たせてこなかった”

”百年後、できうるならば数千年後の未来をも想像しつつ、デジタルテクノロジーを用いて「本をどう残すか」ということに、たまには思いを馳せるべきではないか。遠い未来には古代の石碑だけが残り、紙の本も電子の本も残らなかった、などということにならないためにも”

 

5)学び

私は大学院で勉強するようになって人生がより面白くなったし、楽になりました。過去のブログでも何度か書いたのですが、学ぶことって、自分が変わることなんだと思うのです。でも、その学びの場の大きな1つである大学が危機に直面している。知人友人に大学関係者も多いこともあり、とても感じています。「文系不要論」もあるわけですが、それに対して鮮やかに答えているこの記事には地味に感動しました。大事なところを引用しておきますが、めちゃ面白いから記事自体も読んでみてくださいね。

”価値を創造する、つまり目的そのものを創造するという意味になります。たとえば1960年代の日本では「より速く、より高く、より強く」のような価値がすべてだと思われていましたが、今の私たちは必ずしもそう思っていない。今は循環型社会やサステナビリティが大切だと考えるように変わってきました。時代によって価値は変わるのです。目的遂行的な有用性は、目的が決まったなかでは最高の結論を出しますが、与えられた目的に対してしか役に立つことができないんですね。

この目的を創るためには、私たちが囚われている自明性を一度壊す必要があります。既存の概念を壊していくには、私たちが当たり前だと思っている世界を「内側から」批判していくことが必要です。人類学や歴史学社会学など人文系の学問はその批判の作業をひたすら行ってきました。この作業は新しい目的とか価値を創造するためには不可欠だと思います”

<参考ブログ>

terumism.hatenablog.com

 

6)デザイン

人生100年時代と言われますが、これからの若い世代(まあ一応私の世代も含め)は学び続けることが生きる上でこれまで以上に大切になってくるし、でもそんな中で、大学が学びの場として機能していない(ちょっと言い過ぎました、ごめんなさい)機能しにくくなっているということは、個人にとっても社会にとっても大きな損失だと思うのです。実際、私の周りの若い世代も本を読みたいとか学びたいとか思っていないわけではなくて、読みたい学びたいと思っている。思っているのに、どうしていいのかわからない、方法がわからないし、そういう環境も用意されていないように、いまの私には見えます。だから、社会の中で学びがもっとデザインされるといいなあと思ってきました。デザインという言葉もかなり汎用性高く使われていますが、仕組みとして設計する、みたいなイメージです。鳥取県立図書館の司書の友人がFacebookでこんなステキな提案をしていて、この仕組みを使って楽しく学びをデザインしていきたいなとひらめきました。楽しくないと、やってみようと思わないしね。

※記事っていうか投稿です

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7)コミュニティ

しかもそれをコミュニティにしていきたいなということです。それは、いくら学びをデザインしても、続くためには、またもう1つ別のデザインが必要だと思うし、続けるための1つの鍵は、コミュニティなのではないかと。それは、最近よく話す大学生たちとの会話と、こちらの記事も刺激になりました。だから、今日、ほんとに今日強く自覚したのは、学びのコミュニティをつくりたいということ。これまでは、この前の項目にも書いたように漠然と社会の中で学びがもっとデザインされるといいなあと思ってきましたが、傍観しているのではなく、自分自身がその学びをデザインするコミュニティをつくってみたい、みようと思うようになったのです。今年少しずつ取り組んでいきたいと思っています。ので、突然声がかかるかもしれない皆さま、よろしくお願いします◎

記事を紹介しながら、私の思考を整理し、今後やりたいことの宣言みたいになってしまった(笑)久しぶりに長文書いたー少しすっきりしました。お付き合いくださって、ありがとうございました!

 

2019年2月の記録

2月は、引き続き島根で原稿書いたり論文読んだりの日々で、そんなに出張してないですが、その中でも濃く新しく面白い出会いがありました!

まず1日に東京で、シェアリングエコノミー協会の佐別当隆さんと、友廣裕一さんとトーク、すんごく楽しかった!

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そこでご縁ができ、佐別当さんが立ち上げた月4万円で多拠点生活する「全国住み放題サービスADDress」が4月にスタートするということで、18日には戦略発表会を取材&トークに登壇してきました。

このサービスはすごく面白いので要注目です!

そして、博論の研究も兼ねて関係人口創出モデル事業の最終報告会にも顔を出しました。

続いて富山で地域づくりセミナー。お会いしたかった徳島大学の田口太郎先生とも初めてご一緒できて、充実の時間でした。

あっという間に過ぎ去った2月。そうそう、カンブリア宮殿にも一瞬だけ出演できて光栄です…!3月も引き続き、論文、原稿執筆がんばりますー

平成30年度ふるさとづくり大賞奨励賞をいただきました

総務省の平成30年度ふるさとづくり大賞奨励賞をいただきました…!

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島根には、私の活動を自分のことのように応援し、一緒にチャレンジしてくれる人がたくさんいます。私一人というより、そんな皆さんと積み重ねてきた時間や思いが評価されたのだと思うので、やっぱり嬉しい。そして受賞を喜んでくれる人も島根や全国各地にいて、それを見てまたさらに嬉しくなりました。

お祝いにシャンパン(※大好物です)やお花をいただき、超幸せです。みんなありがとー!

ふるさとづくり大賞

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2/14テレビ東京の「カンブリア宮殿」で極食べる通信from島根が登場

2月14日放送のテレビ東京の「カンブリア宮殿」で、東北食べる通信の高橋博之さんが紹介されることになり、その中の一部で、執筆を担当している「極食べる通信from島根」も紹介されることになりました!

メインではないので多分ちょっと、ほんのちょっとになると思いますが、もしよかったら見てやってください!島根では多分見られません…涙

 

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2019年1月の記録

皆さまご無沙汰しております…!1月は博士論文のゼミ構想発表と次作の『すごいぞ!関西のローカル鉄道』の執筆で、もう本当に毎日毎日、原稿を書いていました。

おかげで10万5千字を無事に月末の締め切り内に提出でき、まずはほっとしているところです。編集者さんの指摘をもらって、また修正作業するまで、しばしの休息、と言いたいところですが、そのほか貯めていた仕事やメール返信などに追われ、今日ようやく久しぶりにゆっくりできました。のでブログも書いてみるぞっということです。論文や本の執筆をしているときは、もういっぱいいっぱいというか絞り出す感じなので、それ以外のアウトプットはまったくしたくない、する余力がない…という感じなので、、ようやくちょっと回復したって感じかな。

1月10日には、はっぴーの家ろっけんで、関係人口をテーマにしたトークに登壇させていただき、とても勉強になったし、おもしろかったです!

同じくこの会に参加してくれた方が素敵な感想&記録を残してくれました。

1月10日、神戸市長田区のはっぴーの家ろっけんで開催されたトークイベント「『関係人口』という提案」はまるで好きな音楽のライブを堪能するように楽しめました。

『関係人口をつくる 定住でも交流でもないローカルイノベーション』の著者として知られる田中輝美さんと尼崎で様々なまちづくりに関わる実践をしかける藤本遼さん。案内ビラでは2人の対談ということになっていますが、実際は会場の「はっぴーの家ろっけん」を運営する首藤義敬さんも交えての鼎談に。

田中輝美さんについては著書を通じて関心をもっており、「関係人口」という概念を西成での実践に活かせないかとずっと思案しています。

関係人口の命題を敢えてざっくり言うと「必ずしも移住をゴールとするのではなく、地域に関わりをもつ人々を増やすことが、地域活性化において重要」となるでしょうか。

定住人口でも交流人口とも異なる関係人口という概念は近年、人口減少に悩む自治体の政策概念としても用いられています。

今や地域研究においても流行語になっている関係人口ですが、今日の鼎談では田中さんから関係人口という概念をめぐるアポリアが2つ語られました。

⑴ 関係人口に向けた取り組みの成果測定が困難であること
→ 定住人口や交流人口は数で把握しやすいが、関係人口は数で測りにくい。一方、質で図るにはどうすれば良いのか、というアポリア

⑵ 関係人口という概念はヨソ者を肯定的に捉えすぎているということ
→関係人口は「移住」をゴールにしない新しい地域との関わり方を提案する概念だが、実際にはヨソ者が地域を引っ掻き回すという疑念があり、関わりのあり方次第では「無責任」とみなされがち、というアポリア

田中さんが提示したこれらのアポリアに対する藤本さんや首藤さんの回答がなかなかに面白かった。

⑴について藤本さんは関わる人たちの意識がどのように変化したかに注目するとのこと。また、首藤さんは関わる人たちのライフスタイルの変化に注目するとのことでした。

⑵について藤本さんは関わりの「頻度」ではなく「深度」に目を向けるべきと説明。そのためには、初めて会った時にどれだけ濃い話ができるかが重要で、さらにそこで必要になるのは「弱さの開示」とのことでした。

「弱さの開示」という言葉は、田中さんも別の文脈で何度も使われていました。まちづくりに主体的に関わる人を集める時、地域の「強み」ではなく「弱み」を前に出す。弱み=隙間が関わり代になるとのこと。おそらく『関係人口をつくる』にも同様のことが書かれていたように思いますが、改めて著者の肉声で語られることで「なるほど」とガッテンした次第。

あとは、FMさんいんのラジオ番組「浜田真理子さんのご機嫌さんで。」に出演させてもらったのもよい思い出です。

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www.fm-sanin.co.jp

今後についてですが、3月17日(日)午後に関西でトークあります。よかったらぜひ!

real.tsite.jp

そのほかにもよくお問い合わせもいただくのですが、今年は公の登壇の場が少なくて、お仕事もお断りすることが多くて、本当に申し訳ないです…2020年は全開でしますのでーーー2020年こそよろしくお願いします!!!

とにかく執筆に集中する〜2019年の決意

皆さま、あけましておめでとうございます。遅…新年からの一週間はひたすら原稿を書いていました。久しぶりにこんなに集中して書いて、苦しいけどやっぱり楽しい。生きてるなという気がします(笑)

2019年は執筆に集中する年になりそうです。前半は次の著書『すごいぞ!関西のローカル鉄道』、春からは博士論文の執筆です。

もともと器用ではなく、さらに本や論文を書くのはなんというか、身を削るようで消耗してしまうこともあり。すでに、そしてこれからも、せっかくのお声掛けをお断りしないといけない場面が増えて心苦しいです。今年はとにかく踏ん張っていい作品をつくることに集中したいと思いますので、ご理解いただけると喜びます。

あらためてたくさんの人に支えてもらってるなと感謝の気持ちでいっぱいです。あまりこまめにブログ書けないかと思いますが、ブログ書いてないときは、あー原稿書いてるんだなと思っていただけると…!今年も引き続きご愛顧よろしくお願いします◎

写真は、いただいた2019年カレンダーたち。隠岐の素敵な風景を切り取っている森山さん、京急の関根くん、JR西日本和歌山支社の皆さま、ありがとうございました!大切に使います!

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