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人を揺さぶる、ROCKな芝居!〜劇団ハタチ族の365日公演始まりました

本日1月1日から始まった劇団ハタチ族の365日公演@島根県雲南市、大雪の中、行って参りました〜 365日、毎日、公演するという、多分誰もやったことがないであろう、前代未聞のクレージーなチャレンジ。初日は、今後への期待が膨らむ、面白いものとなりました◎

演目は、ハタチ族の役者6人フルメンバーが出演しての「ハタチRAKUGO」。基本的には、落語の「貧乏神」と「初天神」という演目を、演劇にアレンジしています。まあ、ネタバレにもなるので、あまり詳しく解説できませんが、、、新年の雰囲気も漂わせつつ、まさかの展開、ベタな展開、入り交じり、結構大声で笑いながら、ホロリともきてしまった。あっという間の一時間でした。

演目内容もですが、もう一つ、魅力に感じたのは、演劇のナマモノ感、と言いますか、人間が演じながら観客と一緒につくりあげる場の面白さ、でしょうか。そもそも、演劇は、人間がやるので、同じ演目でも、その日そのときで微妙に違うのでしょうが、それに加えて、今回の会場は、雲南市にあるチェリヴァホールの二階ロビーでの特設舞台。もうほんと、舞台が観客のすぐ目の前にあって、圧倒的な距離の近さ、なのですね。観客の息づかいも役者側に伝わり、影響を与えざるを得ない感じ。逆に言うと、観客抜きではつくれない。観客が盛り上げることもできれば、多分、つまらなくすることもできる。「観客とつくる」舞台。だからこそ、同じ舞台は二度とないよね、と思ったし、明日はどんな感じになるんだろう、って、同じ演目でも、また見に行きたくなりました。

ただ、あえて、厳しいことも言わせてもらうと、今日のお芝居が、彼らの最大最高ベストかというと、それも違うかなと思います。うーんと、まだまだ伸びる余地がある。ハタチ族は、旗揚げして2年、まだ劇団の色やスタイルが、完璧に固まっているわけではないです。いままさに、劇団ハタチ族をつくっていく発展途上にあるのです。完璧なクオリティになってからやれよ、そんなの見る価値ないよ、という意見もあるでしょう。否定しません。でも、代表の西藤さんは、今日、言ってました。「まだまだなのはわかっている。でも、うまくなってから、って言ってたら、いつまでもできない。やるしかない」って。私はとっても共感しました。

少し話がそれるかもしれませんが、私は「未完成」という言葉が好きです。だって、完成して完璧なものって、関わる余地がないし、もちろん「完璧な美」というものの価値もあるし、それはそれで素晴らしいし好きですが、私自身は未完成、不完全なものを、もがきながら、悩みながら、つくっていくことが好きです。そういう意味では、ハタチ族を見に来ていただく方も、既に完成した完璧なものを求めるのではなく、観に来て、一緒にそのときの舞台をつくりながら、もっとこうした方が面白いよ、なんて、伝えてもらいながら、育ててもらって、ハタチ族の進化に関わってもらいたいな、それこそが、ハタチ族の魅力なのかな、なんて、思ったりしました。勝手に応援団の勝手な解釈ですが。

あと、もう一つ、魅力に感じたのは、ハタチ族を見ていると「私はどこまでやっているのか?」と、突きつけられる感じがするのですね。だって、365日、演劇しちゃうんですよ。そこまで、チャレンジしちゃう人たちを目の前にすると、自分自身がチャレンジしているのか、人生に真剣に向き合っているのか、と、考えざるをえなくなっちゃうのですね。え、それ、別に魅力じゃない、って?(笑)いえいえ、なんか、自分もチャレンジしなきゃ!するぞー!みたいな、やる気になっちゃうのですよ。

というわけで、私も密かに、宣言しちゃいます。今日から、365日、ブログ書きます…!ああ、言っちゃった。できるのかな。でも、毎日、つくって、練習して、演じる、それを365日続ける、ハタチ族の方が大変なので、それに比べたら、毎日ブログ書くことなんてね。できるよね、やれるよね、がんばります。。。私自身、いいトレーニングになるよね、きっと。というわけで、人を揺さぶる、ROCKな劇団であります、ハタチ族。ぜひ一度、観に来てくださいね!!

っていうか、観に来てもらわないと困るのです。365日公演、お客さんがゼロならその時点で中止、という、ルールです。自己満足にしない、という意思表明です。来てくれないと終わるのです(涙)今日の来場者は、用意した席がほぼ埋まる38人。西藤さんが「明日もみなさんのおかげで演劇ができます」と言っていましたが、その通りなのです。ぜひ、一緒に、つくりに来てください!あと364日ありますので〜 1月の公演情報はコチラ


1月1日(木)@雲南
15時 ハタチ族初演@チェリヴァホール
夜  決起集会