自由のドア

島根、ローカルジャーナリズム、ときどき鉄道

2014年巡り合えてよかった!5冊

毎年恒例、に勝手にしている、2014年に「巡り合えてよかった!」と感動した本のまとめですーいつものごとく、2014年に出版されたという本ではなく、2014年に私が読んだ本で、読んだ順です。

シェアをデザインする: 変わるコミュニティ、ビジネス、クリエイションの現場

シェアをデザインする: 変わるコミュニティ、ビジネス、クリエイションの現場

  • 作者: 猪熊純,成瀬友梨,布山陽介,林千晶,馬場正尊,三浦展,小林弘人,門脇耕三,萩原修,安藤美冬,島原万丈,関口正人,中村真広,田中陽明,ドミニク・チェン,中村航,浜田晶則
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2013/12/15
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (3件) を見る

何気なく手に取ったのでしたが、目から鱗、というか、最近よく聞く「シェア」という概念が持つ意味や、これからの時代がどうなっていくのか、あらためてクリアにしてくれた本でした。シェアできる場を持つこと、そして、コミュニティが価値になること。その中のキーワードの一つが「GOOD NOISE(想定外の刺激)」、言い換えれば、セレンディピティ(偶然による発見)であること。なるほど!と腹落ちすることが多く、なんだかんだ言って、独立してからチャレンジしようとしている、もろもろのことにつながっている気がします。参考になりすぎて付箋だらけ。

社畜もフリーもイヤな僕たちが目指す第三の働き方

社畜もフリーもイヤな僕たちが目指す第三の働き方

ちょっと刺激的?なタイトルですが、知人でもある佐藤達郎さんの著書。会社員、フリーランスという職業形態にとらわれない「モジュール型ワーキング」の提案です。働く内容と収入をいくつかの「モジュール(働き口)」に分けて、その組み合わせで、職業人生を組み上げていく働き方のこと。私もこういう生き方がしたいなあと漠然と思っていたことが、言語化され、形になって見えたことで、大きな力をもらいました。就職や働き方に悩んでいる方々に、ぜひ、オススメです。二項対立ではない、第三の道。視野をぐっと広げてくれます。

誰も戦争を教えてくれなかった

誰も戦争を教えてくれなかった

問題意識として、今のステレオタイプな戦争体験や反戦平和の語り方では共感されないなと、悩んでいた中で、ヒントをつかみたいと読んだ本。著者自体への評価は分かれていますし、そのあたりは私も何とも言えませんが…この本が最後にたどりついた一つのシンプルな結論は、パラダイムの転換というか、これからの戦争と平和を考える上で、とても示唆的でした。(ネタバレなので詳しくは書きません、気になった方はぜひ読んでくださいね)。このパラダイムにのっとって、いつか記事を書いてみたい。あと、ところどころユーモアがあって、好みでした。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

引き続き、同じ問題意識で、人に勧められて読みました。「なぜ負けたのか」という、本質的な難しい問いに対し、精緻な研究の結果、導き出された「成功は復讐する」という一つの教訓は、いやもうお見事。日本的企業組織にも広げて、普遍化しています。「自己否定的学習」ができるかどうか。時代を超えて、組織にも個人にも、当てはまると思います。「変化できる者が生き残る」という意味のダーウィンの言葉もありましたよね。心に刻みました。そして、関心があると言いながら、戦争について何も知らなかったことにも気付きました。もっと学びたいなあ。

雪男は向こうからやって来た

雪男は向こうからやって来た

読み終わったとき、泣いてしまった。悔しくて。ヒマラヤの雪男探索に魅入られてしまった人たちの物語です。雪男そのものじゃなくて、泥沼にはまるように追いかけてしまう人間の心理、業に迫っているところが、好みであり、とても面白い。その答えも納得しました。読み進むうち、雪男っているの?いないの?とドキドキしてしまい、まさかと思いつつ、期待している自分にも気付きます。やっぱり冒険ものはスリリングで、題材として、そもそも面白いし(書くのも大変でしょうが)ずるいよー(笑)しかし、著書は、同い年なのです。同い年でこの筆力。負けた。で、悔しくて涙が出ました。年上の著書にはこういう感覚を抱いたことはなかったですが、年齢だけでなく新聞記者出身という背景も同じだけに、この本の完成度と、本質への迫り方に比べれば、自分はまだまだだなあと力不足を痛感して、本当に悔しかった。負けないぞー。勝ち負けじゃないけど。この作品に負けない、いいものつくりたい。

以上です。2014年も、モチベートされたり、視野が広がったり、幸せな本との出合いがありました。そうそう、本当は「太平洋戦争と新聞」という、ジャーナリストの役割についてすごくすごく考えさせられた本があったのですが、お茶をこぼしてしまい、、、新しく買おうと思っています。。。あらためて。いい本との出合いは、本当に幸せ。目標の50冊に対し、40冊。前年の30冊よりは増えたけど、後半、余裕がなくて、全然読めませんでした。今年は、昨日も書いたけど、最低50冊、目指せ100冊!読みたい本はたくさんあって山積みなのです。計算したら、週に1、2冊ペース。それならできる?やるぞ!どんな本に出合えるかなー今から楽しみです。

1月4日(日)オフ