自由のドア

島根、ローカルジャーナリズム、ときどき鉄道

3/4(土)阿東でこうして食っているwithみんなでつくる中国山地

3/4(土)13:30-は山口のりんご園で「地方で食っていく」をテーマにしたイベントに登壇します。企画があともり(阿東を盛り上げたい女性のネットワーク)で、とても素敵な方たちの集まりなので、楽しみ楽しみ。参加申込の締め切り3/1(水)ですので、検討中の方はお急ぎくださいー!

 

この本、火傷します!?大阪・スタンダードブックストアでの003号発刊記念イベント終わりました

大阪・スタンダードブックストアでの003号発刊記念イベント、たくさんの方に駆けつけていただき、熱気と笑いあふれるイベントとなりました!(終了後しばらくして写真撮影に気づき、残っていた方だけでの撮影となりました…反省…写真はいつもの「山地ポーズ」です!)

『みんなでつくる中国山地』ってどんな本?と聞いたときの、登壇者の一人で大阪在住のコピーライター・日下さんの答えが「火傷するよ!」。それってどんな本なんだ!と笑ってしまいましたが、それほど熱量が伝わってくるとのことで、嬉しくありがたい限りです。

参加してくれた皆さん、登壇してくれた日下さん、スタンダードブックストアの中川さん、本当にありがとうございました!ぜひ次の004号もスタンダードブックストアで、そして中国山地でも会いましょう^^

【みんなどうやって食っていっているの…?】2/17(金)大阪・天王寺のスタンダードブックストアでトーク

【みんなどうやって食っていっているの…?】今週2/17(金)夜は大阪・天王寺の素敵な独立系書店スタンダードブックストアでトークです。夏にも開催させてもらったのですが、これがものすごく面白くて大興奮だったので、今回は松江からデザイナーの安田よーこさんも一緒に参加します。コピーライターの日下さんやスタンダードブックストアの中川さんとともに熱烈歓迎、お待ちしています!

www.standardbookstore.net

 「過疎は終わった!」と高らかな宣言とともに発刊された年刊誌『みんなでつくる中国山地』。昨年の夏にアツいトークを繰り広げましたが、今回は新刊発売にあわせてトークも第2弾。発起人の田中輝美さんとデザイナーの安田よーこさんが中国山地からやってきます。「ここで、食っていけるの?」と刺激的な内容のVol.3の話を中心に、生き方、暮らし方、稼ぎ方、世界の創り方を語り合いましょう。この大阪で中国山地から現世のサバイブ術を学ぶのだ〜。
 お相手は「隙ある風景」でおなじみケイタタこと、日下慶太さん。大阪在住ながら、山陰広告賞の審査委員長を務め、2020年の山陰広告賞のグランプリに「みんなでつくる中国山地」を選んだのがご縁で語っていただきます。あっ、ついでにスタンダードブックストア中川和彦も。

 

2/4(土)久しぶりに島根県内のリアル講演会@飯南町です!

2/4(土)13:00-15:00は、久しぶりに島根県内のリアル講演会@飯南町です。申し込み不要、入場無料ですので、気が向いたらぜひお気軽に足を運んでみてください◎

 

コミュニティーデザイナーの山崎亮さんによる『関係人口の社会学』書評

コミュニティーデザイナーの山崎亮さんが『関係人口の社会学』と『関係人口をつくる』をFacebookで書いておられます。過分な評価もいただき、恐縮です。転載します。

【書籍紹介】
『関係人口の社会学
本書は、著者である田中輝美さんの博士論文をまとめ直したもの。前著『関係人口をつくる』が関係人口の入門書だとすると、こちらは関係人口の専門書といえよう。
かなり大雑把にいえば、博士論文というのは、専門的な学会の査読付き論文を概ね3本ほど通したうえで、それらの前に研究の位置づけや先行研究や用語の定義などを解説し、3本の後ろに考察やまとめを付けたものである。本書はまさにそんな構成になっている。3部構成であり、第1部が「関係人口とは何か」であり、第2部は「関係人口の群像」として3つの地域の事例が紹介されている。きっとそれぞれを査読付き論文として3本としたのだろう。そのうち島根県の2地域については修士論文で扱ったらしい。そして第3部は「関係人口と地域再生」。ここは考察なので、第1部で提示した調理器具を使って、第2部で紹介した素材を生かし、思う存分料理すればいい箇所だ。これから地域づくりをテーマとした博士論文を書こうと思う人は、本書が論文の構成として参考になるだろう。この分野における、考えうる限り最もシンプルでわかりやすい構成である。
そんな博士論文を元にした本なので、前著ほど読みやすくはない。しかし、前著よりもしっかりと脇が固められている。専門分野でこれまでどんな議論がなされてきたのかが第1部にしっかりまとめられている。第1部でまとめられた専門的知見は、概ね第3部での料理のときに使う調理器具であり、余計な情報は含まれない。これが読み進めているときに気持ちがいい。読んでいると「マッキーバーの定義は?」「テンニースとかトクヴィルは?」などと100年くらい前からの社会学的論点について気になったりするのだが、そんな古い理論は持ち出さない。今回は「日本の」「戦後の」地域のありようについてまとめると固く決めているようだ(もちろんパットナムなど有名どころは海外勢もしっかり登場する)。参考文献も概ね1990年以降と新しい。だから、この30年くらいに地域づくりの分野でどんな議論があったのかを俯瞰的に眺めることができる。これは大変ありがたい。もちろん、そのまとめは網羅的ではない。すべては「関係人口」という料理を作るための調理器具として持ち込まれているものである。その文脈を理解するのに大変助かるといった意味合いだ。この1部を読むだけで、関係人口という概念がなぜ登場せねばならなかったのかがよく理解できる。いわば「過疎」→「限界」→「消滅」からの「関係」なのである。
そのうえで、第2部では島根県海士町江津市、そして香川県のまんのう町の事例が紹介される。関係人口がいかにして活躍したのかが丁寧に取材されているといえよう。
これらの事例を分析したうえで提示された「地域再生サイクル」と「地域衰退サイクル」が興味深い。典型的な地域衰退のサイクルはこうだ。①地域課題が見えてくる→②地域住民が「もうだめだ」と諦める→③誰も立ち上がろうとしない→④状況まますます悪化する→①新たな地域課題が見えてくる・・・。こんなサイクルだ。ここに外部からコンサルタントが来て、ビジョンだけ作って帰るとすると、①地域課題が見えてくる→②地域住民が「もうだめだ」と諦める→③コンサルタントがビジョンを作ってくれるが住民は誰も立ち上がらない→④状況はますます悪化する→①新たな地域課題が見えてくる・・・というサイクルを経るだけなので、衰退サイクルからは抜け出していない。
一方、地域再生サイクルは、①地域課題が見えてくる→②関係人口が課題に取り組みながら地域の信頼を得ていく→③地域住民も「我々も立ち上がらねば」と動き出す→④地域課題が創発的に解決されていく→①次の課題が見えてくる・・・となり、すでに立ち上がった地域住民が新たな課題にも取り組むことになる。関係人口の役割は大切である。コミュニティデザイナーもまた関係人口として②から③に関わりたいと考えている。
なお、本書では②で関係人口がどうやって地域の信頼を得ていくかについては実例がいくつか紹介されていた。一方で③の地域住民が立ち上がり、お互いに学び合い、活動を充実させていくための支援方法についてはあまり述べられていなかった。コミュニティデザインに携わる者としては、そこがとても気になる点である。次回作では、そのあたりについて詳述されることを期待したい。
いずれにしても、関係人口誕生の歴史、その実例、そして関係人口が地域づくりに貢献するプロセスや要点について、学術的にも実践的にも理解できる良書である。本書は2時間で読めるとはいえないが、数日かけて読む価値のある専門書だといえよう。
(追伸)studio-Lのメンバーは全員、読んでおいてください。特に博士論文に取り組んでいるメンバーたちは、その構成についても学び取っておいてください。

【書籍紹介】
『関係人口をつくる』
島根県を拠点に活動するローカルジャーナリスト、田中輝美さんによる関係人口解説本。この本は、①いまなぜ関係人口なのか、②関係人口って具体的にどんなものを指しているのか、③どうやって関係人口をつくったらいいのか、という3つの問いに答えようとしている。
本書を読むと、改めてコミュニティデザイナーは関係人口なんだなぁということがよくわかる。定住人口でも交流人口でもない立場として地域に関わる。「離れていても地域に多様に関わる人」という関係人口の説明は、我々もそのうちのひとりだと思わせてくれるものだ。
本書の問題意識は人口減少である。全国の人口減少は20年ほど前に始まったのかもしれないが、島根県をはじめとする全国の中山間離島地域では40年前から人口減少が始まっている。いわゆる「過疎問題」である。それでも全体の人口が増えているのであれば、増えている地域から人を集めるという戦略も成立しただろう。ところが現在は全体の人口も減っているのである。定住人口を増やそうとすれば、ほかの地域の定住人口を減らすことになってしまう。このことは「ほかの地域のことは知りませんが、我々の地域さえ定住人口が増えればいいのです」と主張しているようなものだ。人口減少下で定住人口増加策を打ち出すことほど浅ましい主張はない。人口が増えて交付金も増えて自治体が使える金が増えるからといって、人間性をすり減らす必要は無かろう。
その点、関係人口は人間性をすり減らさない。定住しなくても関係する人がいればいいのだから。交流人口のように一過性ではなく、長期的にじっくりと地域と関係を持とうとする人を着実に増やしていくこと。ここに人口減少時代の地域づくりにおけるヒントがある。
関係人口づくりの事例として、東京で開催された「しまことアカデミー」が紹介されている。これは、東京で島根の未来を考える関係人口のための講座である。ソトコトの指出さんが主導する講座で、ゆるい雰囲気で進められた講座だという。このゆるやかな雰囲気、studio-Lの山崎では作れなかっただろうと本書で指摘されているのにはびっくりしたが、そのとおりである。
本書の最後に「例えば、人口が100人から90人になっても、地域を想い、関わる人材の数が、10人から20人に増えるのなら、人口が減っても、地域が衰退したということにはならないですよね」とある。同感だ。これを私は「定住人口が減っても、活動人口が増えれば地域は元気になる」と表現している。そして、そんなふうに人口を減らしていく地域は、縮小しながら充実していることになるので、それを「縮充」と呼んだ。そのときイメージしていたのは地域の定住人口のなかの割合だったのだが、本書ではそこに関係人口という地域外からの活動も加えて考察している。この考え方は地域をますます勇気づけてくれることだろう。
本書はなにしろ読みやすい。田中さんの講演を2時間聞いていると思って読んでほしい。ちょうど2時間くらいで読み終わるだろう。そして、読み終わるころには、関係人口に大きな可能性を感じていることだろう。

 

 

1/28(土)午後開催!ローカルモビリティサミットIN西粟倉に登壇します

直前の告知になりましたが、久しぶりの岡山県西粟倉ー!と楽しみにしていたところ、大雪で断念… 残念ですが、オンラインで登壇します。ローカル・モビリティ・プロデューサーで、みんなでつくる中国山地の仲間でもある猪田さんと、「関係人口とモビリティ」をテーマにした対談です。よかったらぜひお気軽にのぞいてみてください。

www.youtube.com

企画・プロデュースした猪田さんの投稿文を転載しておきます。

来週1月28日(土)午後開催!ローカルモビリティサミットIN西粟倉。(リアル&オンライン)
西粟倉に来てまもなく5年。人口1400人の村で、ある意味ゼロから、中山間地の移動に関する寄り添いと仕組みづくりの事業化について、取り組んできました。そして、ようやくここまで発信できるようになりました!「地域のかかわり代を増やし、モビリティの生態系を豊かにする」をテーマにした、ローカルモビリティサミットです。
智頭急行ができて、さらに高速道路もできて、ここ30年でどんどん便利になってきた西粟倉村。地域の実感として「西粟倉に移動の課題はないんだよね~」というのが現実。(もちろん、そんなことは全くありませんよ。困り感を持ってる人はたくさんいますが、ある意味誰かがなんとかやりくりしてるのです。)
(一財)西粟倉むらまるごと研究所からは設立当初からモビリティセンターを一緒に作ろうよと声をかけてくれたり、(公財)トヨタ財団の助成に選ばれたことで、単に資金面という枠を超えて、全国色々な人たちが気にかけてくれたり。モビリティのことと言えばと、声がかかるようになってきました。ありがたいこと。その成果報告の一環です。
今回、来年度から本格的に事業化する“超小型EVの未来”と、私のライフワークともいえる“モビリティ&コミュニティ”という、私がどストライクで取り組んできたテーマ。さらに、村民だけでなく関係人口のことも考えたい!という欲張りさ。これらの先人たちに学ぶというプログラムを考えました。ご登壇いただく方、ありがとうございます!

 

 

 

 

 

 

人が育つということの奥深さ。島根県立大学×グラントワの企画、盛況でした!

お知らせしていた島根県立大学×グラントワの企画、予想以上に多くの方の参加があり、多世代が楽しめるものとなりました。関わってくれたすべての皆さまに全力で感謝申し上げます。本当にありがとうございました!!!

以下、まとまってない文章ですが…【人が育つということの奥深さ】について思い切って書いてみます。

地域政策学部地域づくりコースの「プロジェクト研究」という演習科目の一環でした。名前の通り、地域でプロジェクトを実践するという授業。秋学期、私が益田を担当して、同じ県立であるグラントワと連携して何か企画を実施するというものでした。

グラントワ内にある島根県立石見美術館には、偶然にも私の大学時代の先輩である 川西 由里さんと 南目美輝さんがおられて、こんな形で憧れの先輩二人とご一緒できるなんて!とドキドキワクワク。高校生とも連携したかったし、地に足をつけたものにしたかったので、 檜垣 賢一さん率いるユタラボに相談して、 塩満圭太さん、 麻生 祥子さんを中心に伴走してくれることになりました。

いざ始まってみると、企画を立案し、プレゼンして、先方の思いや問題意識も踏まえて実現可能な案に落とし込んで、本番のタイムスケジュールや役割分担をイメージしながら準備し、告知もしていく…やることがあまりにも多くて…(当たり前なんですが)

それが今回、先輩二人が忙しい中でさすがプロ!の厳しくもあたたかいコメントを何度もくれて企画がどんどんブラッシュアップされ、告知も塩満さんがあれどうする?今どうなってる?と熱心に声をかけてくれて、形になっていきました。

当日実施したのは影絵体験と参加型の絵画鑑賞の2つの企画。参加した友人たちが「一生懸命でめっちゃ初々しくて、学生さんたちが頑張っている姿を見て、わたしも頑張らなくちゃと思った」などと投稿してくれ、こうしたフィードバックも学生が育つことにつながるし、学生から刺激を受けてくれたことも嬉しくて。やっぱり、学生の存在意義や価値は、イメージされがちな「斬新なアイデア」みたいなものに輪をかけて(それももちろんあるとは思いますが)一生懸命な姿が人の心を動かすとか忘れていた何かを思い出す、初心に返るみたいな効果をもたらすことなんじゃないかなとも。私も学ばせてもらいました。

大学に飛び込んで一年半、人を「育てる」というのはおこがましいような気がしてあまり積極的には使っていなくて、人が「育つ」環境を(地元島根で)つくっていきたい、増やしていきたいな、という感じでした。とはいえ具体的にイメージできていなかったのですが、今回の実践を経て、教員や地域の人が一方的に「育てる」というよりも、一緒に「育ち合っていく」ものなのかなと、その結果として学生が「育つ」ということなのかなと、感じました。

関わってくれた方々が「学生だからこんなものでいいだろう」というのではなく、いいものをつくるために妥協なく向き合ってくれたからこそ、学生たちの目線も上がったとも感じ、ここは私一人ではとてもできなかった部分で、もう感謝の気持ちでいっぱいです!!学生のみんなも含めて本当にお疲れさまでした!!!

山陰中央新報中国新聞にも掲載されました。

www.chugoku-np.co.jp