自由のドア

島根、ローカルジャーナリズム、ときどき鉄道

2021年巡り合えてよかった!5冊

2021年もそれなりに本を読んだ…と思うのですが、まったく記録しておらず、さらに大学の研究室の本棚に本を全部入れてあまりに大量になってしまったこともあり、いつもにも輪を掛けて何を読んだのか思い出すのが大変でした…

しかし、なんとか思い出したので、記録しておきたいと思います!毎年ですが、この年に発刊したとかではなくて、この年に出合った本たちです。出合った順。

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振り返ってみると、明らかにラインナップがわかりやすく変わりましたね…(笑)やっぱり教育に携わるようになったことで、かつてないほど教育系の本を積極的に読むようになり、あまり慣れてないこともあって新鮮な驚きがあったり印象に残ったりしたという感じでしょうか。

 

1.リーチ先生

バーナード・リーチをはじめ民芸運動に関わった河井寛次郎柳宗悦などの群像劇を描いた小説。島根県民にもかかわらずこれまで民芸は不勉強でしたが、ストーリーが面白くて感動しっぱなしで、何回も泣きました。民芸すごい…!!僭越ながら、『みんなでつくる中国山地』の運動もこうありたいと強く思い、モチベーション勝手に(ほんと勝手にw)高まりました。その後も民芸や河井寛次郎の本を何冊か読みました。

shimatori.shop-pro.jp

2.MOMENT 2

一緒にイベントさせてもらったリ・パブリックのトランスローカルマガジンの2号。アメリカというか全世界的に衰退した都市の象徴でもあるデトロイトの物語を読んでいたときに出てきたのが「サイド・ハッスル」。情熱を傾けられる副業(儲からないあり方も含め)という意味らしく、この言葉を知って一気に視界が拓けたというか世の中の見え方が変わりました。言葉ってすごい。出合えて良かった。ご縁に感謝。

moment-magazine.stores.jp

3.過疎と教育

大学に着任することもあり、手に取った本。1969年、島根大学の研究者たちが、新しい課題としての「過疎」に直面して「村を捨てる学力」というなんというか考えさせられる言葉だったり、過疎のプロセスのなかで住民の消沈衰退の感情をもたらすこととかを描いている。あとがきにある、自分たちが”執拗”に過疎を研究するのは、人口減少島根で地域開発政策の矛盾を黙認できない地域の研究者としての当然果たすべき任務、住む者としての自らの課題から出発という言葉が、ひたすら重い。

iss.ndl.go.jp

4.人新世の資本論

知る人ぞ知る大ベストセラー。資本主義やお金に関する本は興味があるのでこれまでも読んでみたことはありましたが、結局は資本主義の修正だったりアップデートばっかりだった…ような気がしてました。この本が画期的なのは、資本主義そのものを疑ったこと。大きな意味があるのではないかなと思います。だからと言って処方箋は簡単ではなくてこれから考えてたくさん実験していかないといけない、ですよね。

5.クリエイティブ・クラスルーム

これも大学に着任し、授業のつくり方、進め方に悩んで買ってみた本。あまりこの分野は読み込んでないので軽々しいことは言えませんが、いかに綿密に、戦略的に計画するかに主眼を置くのではなく、「即興」も大事だと書いてあって、私自身はその場の雰囲気を見ながら即興でやってしまうところがかなりあったので、ああこれでいいのだなと勇気づけられる思いがしました(※もちろん計画も大事なのでサボらないように…)

番外編:嫌われた監督

実は中日ドラゴンズのファンです、30年来の。知人に面白かったと薦められて読みましたが、もう冒頭から泣きまくり。あのシーンの裏にこんなドラマがあったなんて…うう(号泣)ピッチャーやリリーフの心情を詳しく描写していて、そもそも野球が好きな理由は、ピッチャー特にリリーフの孤独と理不尽さにヒリヒリしてしびれるからという他の方には(多分)わかってもらいにくい理由なのですが、やっぱりピッチャーが好きだし特にリリーフが好きだし、だから野球が好き!ってあらためて思いました。ドラゴンズの未来にはなかなか厳しい未来しか見えなかったけど…久しぶりに優勝見たいなあ。

books.bunshun.jp

漫画編:ザ・ファブル

漫画はあまり読まない…のですが、Twitter広告で流れてきて、ついつい気になって講談社のアプリまで入れてしまい、毎日少しずつ読んだという、ある意味模範的消費者?でした(笑)さらに初体験のジャンル=ヤクザや殺し屋モノということで、我ながらびっくりでしたが、主人公(&妹ヨーコ)の「プロ」としてにこだわるあり方に共感できたのと、大阪弁でユーモアたっぷりでシュールで面白くてハマりました。

今年は100冊は読みたい!し、去年の二の轍は踏まないぞという、きちんと記録しなくてはと強い決意のもと、読書記録アプリを導入しました。年始から使っていますが、なかなか良い。アプリって使いこなすとなかなかいいですよね〜 ただ、アップデートで急に使えなくなったりするのを気をつけないといけないのですが。なのでこのブログにもこまめに転載したいと思います。

mnapp.info

 

第1回シティプロモーションアワードで審査員を務めました

2021年に創設されたシティプロモーションアワード。 実行委員会の委員長でもある東海大学・河井孝仁先生のお声掛けで第1回の審査委員を務めさせていただき、人生初!講評を書きました。

www.cpaward.net

受賞された自治体の皆さま、あらためておめでとうございます。応募自治体の取り組みはひとつとして同じものはなく、とても興味深かったですが、何より新しいアワードを創りあげる河井先生をはじめとした実行委員会の皆さまの熱意、努力に頭が下がる思いがしました。本当にお疲れさまでした!

2022新年の決意〜模索&探索する「索」の一年に

遅ればせながら、、あけましておめでとうございます!2022も、楽しく巻き込まれてくれる皆さま(いつも本当にありがとうございます!)と一緒に楽しく模索&実験していけたらと願っています。よろしくお願いしますー!

島根県立大学では「地域社会論」に加えて「ローカルジャーナリズム論」「関係人口論」が始まるのでしっかり授業設計したいのと、ローカルジャーナリストとしても本を何か1冊はつくりたいなと。『みんなでつくる中国山地』は003号に向けて1000人のリアルを集める謎に壮大なプロジェクト計画しているので、よかったらぜひJOINしてください。田中りえちゃんと経営する株式会社MYTURNも昨年に引き続き、研修やコーディネート事業させていただきます◎JCEJの証言集も発刊予定です…!いろいろ想定と違った部分があって議論したり悩んでいるうちに遅くなってしまっていますが、もう少しお時間いただけると幸いです。

個人目標は、100冊本を読む&記録する…!毎年思いながら全然記録できないので、読書記録アプリ導入しました。早速かなり良くて、気に入ってます。そうそう、発信も後回しにしがちなんですが、気負わず楽しみながらやっていきたいと思います。

一字で言うと、うーん、探索の「索」かなー!いろいろ探索していきたいです。

<1/8追記:あらためて誤配を積極的に楽しみたいなと、誤配上等!ということで「誤」でもいいかなと思いましたが、一字にしてしまうと誤解を招きやすいか…?

terumism.hatenablog.com

写真は2022カレンダーたち。隠岐の森山さん、小田急の稲木さん、福山・内海町の中尾圭ちゃん、青弓社の矢野さん、ありがとうございます、大切に使わせていただきますー!

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2021年振り返り、戸惑い多き1年でした…

あっという間に、大晦日。早い…!ちょっと前に2021年が始まったような感覚だったのに…環境が激変し、戸惑いの多い1年でした。なんとかポジティブに捉えていうと、ステージが変わったというか。だから余計戸惑ってばかりだったなあ。あんまりこのブログも書けなかったし。なので、今年の1字は「惑」です。

2014年「跳」思いっきり跳んで独立してしまった…

2015年「駆」とにかくがむしゃらに駆け抜ける

2016年「固」ローカルジャーナリストとして足場を固める

2017年「出」アウトプット出し尽くした

2018年「広」会社設立も含めて幅が広がった

2019年「挑」これまでと違うことに挑んだ

2020年 『関係人口の社会学』校正作業で撃沈してたのでお休み

2021年 「惑」環境激変で戸惑ってばかりだった←NEW!

はい、張り切って10大ニュースとか書いている年もあったなあ…書けるかな…でも昨年は上にも書きましたが、ほんと校正が大変で、まったく余裕なくて記録残してなくて、悔やまれるんですよね…なので、コンパクトでいいのでがんばって書いてみるか!


1位:島根県立大学地域政策学部に着任

大好きなふるさと石見に帰って来れて、島根で生きる次世代を育てて送り出す、その大きな循環の中に入れたことが何よりうれしい。あんまり変なこと書いて組織に迷惑掛けてもいけないので積極的に書いてませんが、学生たちは可愛くて毎日楽しいです。

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2位:『関係人口の社会学』発刊&増刷

悩み苦しんだ博論をさらに悩み苦しんで改稿し、『関係人口の社会学』として発刊されました。書評も結構出ましたし、3刷までいきましたので、なんてありがたい。でもこれが大きすぎたからこそ、どうすればいいのか見えずに戸惑いの原因ともなりました。

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3位:みんなでつくる中国山地002号発刊、輪の広がりが加速

ほんとはこれ1位にしたいくらい、とんでもなく愛と情熱を注いで、いろんな人とつくっています。中国山地をやっていなかったら出会えていない人ばかりで、もう本当に楽しく、人生が豊かになっています。中国山地最高。いつもみんなありがとう!

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4位:感動のJCEJ 一ヶ月リレートーク

JCEJ設立10周年記念として関わってくれた人たちのインタビューを1ヶ月展開しました。私の担当回はほぼ感動で泣いてばかり。ジャーナリスト像が揺さぶられて、こちらも惑う原因となりました。書籍化へ絶賛作業中なのでもう少しお時間ください…!

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5位:連載「しまね未来探訪」が終了

ローカルジャーナリストとして独立してからずっと書かせてもらっていた連載で、できるだけ続けたいと思っていたので、ちょっぴり?かなり?寂しかったというのが正直な気持ち。でも最後のまとめは我ながら渾身というか島根の10年を言語化できました。

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6位:一時期連載がゼロになった

そうなんです。多いときには6本、少なくても3本くらいは常に抱えてたのですが、今年は山陰中央新報に加えて中国新聞、LRGが終わり、ゼロになったときはもうローカルジャーナリストとしての役割を終えたということなのか…と悩んだりしましたね…

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7位:朝日新聞「地方季評」が始まった

12月からは連載というか、朝日新聞でコラム「地方季評」を定期的に書かせてもらうことになりました。これまでなかった「地方」分野に照準を合わせたコラムが創設されたということで、それ自体が嬉しかったです。初回の反響大きくて驚きました。

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8位:「極食べる通信fromしまね」全12冊が合本になった

2018年から2020年まで、ライターとして執筆したのが合本になり、それは他のメンバーががんばってくれたからなのですが、記録として残ってじーんとしました。何もお手伝いできなかったので心苦しくもありましたが…ぜひ手に取ってみてほしいです…!

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9位:音声メディアにはまる

このブログに頻出する単語、それがラジオです。出演するとき必ず告知してるし、中国山地ラジオが中尾圭ちゃんによって始まり、自分たちでつくれるようになってさらにほんと楽しい。いい時代だ。Clubhouseも一時期ハマったけどブーム去りましたね…

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10位:オンラインイベントが定着

コロナでリアルイベントは数回。その分、オンラインで離れててもつながれる機会が増えたし、ブログ見てもオンラインイベント告知が圧倒的に多い。どれも面白かったけど、同志に出会った感じでとても励まされたのが、こちらの小松さんでした。

terumism.hatenablog.com

以上です。MYTURNでも新しいチャレンジさせてもらって、いろいろ書きたいこともあるのですが、こちらも関係者が多く、変に迷惑も掛けたくないので、またの機会に。

myturn.work

しかし振り返っても、大学に着任してとにかくその環境に慣れるのが精一杯だったし、教育、研究、ローカルジャーナリスト、どんな比重でどこまで何をやっていいのか、やりたいのか、惑いまくりでしたね…でも毎日の一瞬一瞬は楽しいんですけどね、その一方で苦しんだというか、人生の迷い子的な感じです。こんなときもあるよね。というか、こんなときも必要だよね。ということで。なんとか書けました、2021年の振り返り。こういう時間も持てなかったもんなあ…苦笑。出合って良かった本紹介と、新年の決意も書きたいと思ってますので、引き続きお付き合いよろしくお願いします。最後まで読んでもらってありがとうございました!

今年執筆したり関わったりした4冊。そうそう、『関係人口をつくる』が、韓国でも出版されたんですよ◎(左から2冊目)

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あと、こちらは、おばあちゃんちがある美又地区。美しいー!気に入っているけど、使ったことなかったので、1年のまとめに入れてみました。

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ちなみに、SNS系では、Twitterフォロー654、フォロワー2997、Facebook友達1896人でした!Instagramはフォロー134、フォロワー590

「極食べる通信from島根」全12回が合本になりました

ライターとして関わった「極食べる通信from島根」全12回が合本になりました。「いいモノはいい人がつくっている」というキャッチコピー通りの記録に残したい方々ばかりを取材させてもらったので、とても感慨深いというか嬉しいです。

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合本に尽力してくれた渡部裕子さん、中尾祥子さん、安田よーこさん、そして通信を一緒につくってくれた井上社長、伊藤ちえさん、原さん、松浦啓子さん、なみこさん、何より購読、応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました…!至らぬところも多々あったと思いますが、いつもあたたかく見守っていただきました。

よかったらぜひお手に取ってみてください。こちらから予約できます↓

nakaoshokai.stores.jp



2021年の中国山地ラジオ最終回は、おたよりスペシャル!

おたより送ってくださって、ありがとうございましたー!おかげで一度やってみたかったことが叶いました!2021年の中国山地ラジオはこれでおわり。また新年よろしくお願いします。なんと計3000回!も聴かれたとのことで、リスナーの皆さまに感謝、担当する中尾圭ちゃんにマジリスペクト&感謝です。

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100年続ける年刊誌『みんなでつくる中国山地』。創刊準備号(2019年)、創刊号(2020年)、002号(2021年)に続いて来年には003号を出す予定。また謎に壮大なプロジェクトを計画中です…巻き込む皆さまごめんなさい…(先に謝っておきます)

↓↓中国山地ラジオ、どれでも聞けます↓↓

Spotify
https://apple.co/32oc4Wh

YouTube
https://m.youtube.com/watch?v=e_HXFcY8mEQ

▼note
https://note.com/chugoku_sanchi

 

↓↓『みんなでつくる中国山地』購入はコチラ↓↓
https://cs-editors.site/

過疎の発祥地・中国山地から「過疎は終わった!」と大胆に問いかけ、2020年から100年間の発行を掲げた新しいかたちの年刊誌。中国山地に新たな価値を見いだす営みの記録を通じて、暮らす人たちをつなぎ、ともに次なる社会を提示します

 

【12/19までおたより大大大募集!】中国山地ラジオ、2021年最終回はおたより大特集です

【おたより大大大募集!】いちラジオファンとしてすっかり楽しんでいる中国山地ラジオ。2021年最終回はおたより大特集です。送ってもらえると、もれなく読まれると思います。12/19まで、絶賛お待ちしています!!!

実はおたよりがまだ一通も来てなくて、ほしいんですと切実にw訴えているのがこちらの回。ぜひドライブや作業のおともに聞いてみて、そして送っていただけると泣いて喜びます。


www.youtube.com

 

★12月24日(金)はおたより紹介スペシャル!
みなさんの「2021年どうだった?」「2022年はどうしたい?」を12月19日(日)まで募集しています!フォームはコチラ!
https://forms.gle/oZh6dp18bABJQnn16

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