積ん読(本を読まずに積んでおくこと)絶賛、解消中。新型コロナウイルスの影響でお仕事が大幅に減ったこともあり、とても本を読んでいます。とりあえず部屋にいつか読もうと積んであった本を手当たり次第、本当に手当たり次第、読んでいます。
夜仕事を切り上げる時間が早くなったので、夜にのんびり読むことが多いですね。最近の傾向は、以前読んで面白かった著者や、知人の本を読むことが多かったかも。やっぱり、面白い人が書く本は面白いに決まっている!のです。今回、一冊だけ残念ながらちょっぴりはずれもあったけど、あとはだいたい面白かったです。やっぱり面白い本に出会うと大興奮して、私も頑張ろうー!ってなる。
で、これまでももちろん本は読んでいて、特に博論のときは年間200冊は読んだ気がする… けど、記録しようしようと思いながらできていなかったので、いまは時間もあるので、記録もしてみます。いつまで続くかな。月まとめシリーズは実はあんまり続いていないので、今回こそがんばるぞ(笑)
新型コロナウイルスの影響はまだまだ続きそうですね…来月もどんな本に出会えるか、楽しみです。というわけで、今月読んだ本を、読んだ順で。本当はもう少し博論本の改稿などの関係で読んだ本もありますが、そういう仕事で読んだ本は除外してます…
離島の本屋(朴順梨)
小笠原とか礼文とか北大東島とか、とんでもなく僻地にある島での本屋の営みを紹介した本。礼文島に図書館と本屋が合体したお店があるとか、ぜひ行ってみたい!!という本屋さんたくさんでした。なかなか伝わりにくい島の最近の様子(移住者が増えたとか)もわかって貴重だったし、何より私は、そこに生きる人の息づかいとか、もっと言えば愛とか謎の情熱とか、そういうのが好きだし書きたいし読みたいのだと確信。
十七文字の孤独(大高翔)
新入社員のころ(もう20年前ですね…)に偶然この本に出会って、激しく感動して、俳句へのイメージが変わったし、何より自分も(こっそり)詠むようになりました。その後も何度も読み返した人生のおとも的な大切な一冊。そのときそのときで心に刺さる句が違うんですよね。「閉じ込めた情熱ゆがむ水中花」「ひとを恋うみじんに刻むパセリほど」とか天才的。青春の揺らぎや孤独を季語とマッチングさせて表現する独特の感性に惚れ惚れする。
1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法(山口揚平)
タイトルがちょっと違う感じなのですが、2020年以降の社会がどうなるか考察してあります。産業や経済の中心は「関係」になること、関係こそが健康と幸福につながること、そして地方の可能性、人生のうち3回は非連続的にキャリアを変えて生きていくのがいいことなど書いてあります。旧社会システムは2022年から23年にかけて壊れて25年以降に新体制と交代するという見立てだったけど、コロナで少し早まるのかな。
地域をまわって考えたこと(小熊英二)
編著作のひとつ『平成史』がとてもよかったのと『単一民族神話の起源』もリスペクトしてたので、楽しみに読んだのですが、ちょっとイマイチだったかも(ごめんなさい!!!)それこそ現場を回る人は多いし、だからこそ、小熊先生も無理に現場を回るのではなくて、もっともっと深く思考して、それを綴ってほしい。それは小熊先生にしかできないことでもあるので。。。期待しております…!
来るべき民主主義(國分功一郎)
『中動態の世界』以来のファンです。タイトルがピンとこなくて積ん読でしたが、手を伸ばしてみたら。あら何これめっちゃ面白い!!「ほとんどのことを行政が決めているのに民衆は関われない」という「まあそんなものだよね」的に流していた常識に真正面から堂々と切り込んでいて、しびれる。やっぱり必要なのは、いい問題提起、問いを立てることで、解決策はみんなで考えればいいよね。激しく憧れる。私もこうありたい。
現代日本政治講義(藪野祐三)
実はボーダーツーリズムで親しくお話しさせてもらったことのある藪野先生。序章でこの本の意義を相対化していて感動。内容ももちろん勉強になるし「政治の未来のためには、時間をかけて足元から、地元から、選挙区から候補者を積み上げていかなくてはならない。チルドレン政党に希望はない」というのは本当にその通りで、お話したときもこう語り合い、熱く手を握り合ったのを覚えています。またお目にかかりたいな。
山里からの伝言(島津邦弘)
1月の中国山地のイベントに駆けつけてくれた伝説の記者・島津さん。あふれ出る問題意識と愛と情熱。中国山地をずっと追い続けているのもすごいし、出雲と石見の違いも第三者的に表現されていて興味深い。「邑智郡内を歩くと『石見流で生きてみせる』という内に秘めた気概を感じる」。私は当事者だから書きにくいところもある。新しい風や中国山地の先進性にも触れられていて、さすがの慧眼にお見それしました。
発注いただきました!(朝井リョウ)
朝井リョウは読んだことなかったけど、人から面白いと聞いていたのと、発注されて書いた原稿を集めた本ということで、制約の中でどう表現するのか興味がわいて購入。発注元がほぼ企業で、そのせいか組織人の微妙なあやを書いた作品が多く、そういうのは過ぎ去ってしまった私としては正直途中は飽きたのですが(笑)見せかけの謙虚さの裏側を描いていた最後の作品がすごく良くて元が取れた気になりました。