自由のドア

島根、ローカルジャーナリズム、ときどき鉄道

環りの海に込めた想い(2)

連載「環りの海」の書籍化に合わせ、込めた想いを綴るシリーズ、第2弾です。

●新聞協会賞受賞の連載「環りの海」が書籍化されました!

●環りの海に込めた想い(1)

竹島問題、やろう!」と一人奮い立ったのはいいのですが、これまで先輩方が何度も繰り返し力を入れて特集や連載に取り組んできておられて、そうそう簡単に新しい切り口が見つかるわけでもありません。同じ事を書いても仕方ないし。うーん。どうしよう…そんなとき、沖縄で開かれた新聞社の会合に出席していたある先輩が、興奮気味に、帰ってきました。「地方紙連携、合同企画をやろう!」

その先輩は、東京支社に勤務経験があり、同じ時期に東京支社にいた琉球新報の記者と、沖縄の会合で再会。合同企画の話で盛り上がったというのです。その2人は、東京時代、本当に仲が良く、連日のように飲み歩いては、自分たちが報じる地方の問題が、他の地方にはなかなか伝わらない悔しさや、政府の視点で報じがちな全国紙などの大手メディアへの違和感を語り合い、共有していたのでした。

それは、これまではある意味仕方ない部分もありました。地方紙は、それぞれの地元=各県内で新聞紙を発行するというビジネスモデルであり、顧客は県民です。県外に情報を出しても、簡単に言うと儲かりにくい、ということで、外への情報発信よりは、県内で読んでもらうということを熱心にやってきました。

各地方紙は圧倒的な量と問題意識で、それぞれの地方が抱える問題を報じているわけですが、それが外に伝わらないことで、それぞれの問題が「一地方の特殊な、小さな問題」としてしか、認識されないのではないか。私も、そういう問題意識は感じてきていました。小さな点に見えるそれぞれの問題ですが、それをつないで、線、そして、面として考えて見せることができれば、一地方にとどまらない日本全体の問題として提示できるのではないか、新しい視点が見えるのではないか。

そういう期待も込めて、地方紙の合同企画は、私自身も「面白そう!やりたい!」とワクワクしました。過去にも、地方紙による合同企画の例はないわけではなかったですが、やはり違う会社同士、編集方針にまで踏み込むのは骨の折れる作業で、それぞれの社が書いた記事を、単に相互掲載する、という感じのものが多かったので、今回は、新しいチャレンジとして、連載全体も記事内容も、2社話し合ってがっつり一緒につくる形を目指すことになりました。

会社もありがたく新しいチャレンジを認めてくれ、いよいよ、連載のスタートです!次回に続きます。

環りの海――竹島と尖閣 国境地域からの問い

環りの海――竹島と尖閣 国境地域からの問い

さて、私の方は無事に海士町から戻ってきまして、そして、このところ連日続いていた、締め切り地獄からもなんとか脱出しました。そうそう、締め切り「地獄」というと、悲惨なイメージになってしまいますが、ものは言いようで、締め切り「天国」に言い換えると、なんだか楽しい気分になるのではないか…!だって締め切りがある=仕事がある=ありがたいことだ!とひらめきまして、ここ最近は締め切り天国、と心の中でつぶやきながら、がんばっていました! え?わたしが、かなり、疲れているのではないか??そうですね、多分、疲れているのでしょう…はい。失礼しました…

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