自由のドア

島根、ローカルジャーナリズム、ときどき鉄道

Keep journal(書き、記録し続けよ)

胸がいっぱいになって、涙が止まりませんでした。先日開かれた、松江市立病院内のがんサロン「ハートフルサロン松江」の7周年の記念のつどい。

久しぶりに、サロンの皆さんと再会しました。三成楊子さんや出雲の佐藤愛子さんも。もう6年前になります。サロンに通って「がんと生きる」という連載を書いたのは。がんサロンは、患者さんや家族が医療情報や気持ちを共有する場です。全国に先駆けて島根で生まれ、新しい医療のかたちの一つとして、広がっていきました。

その原動力になった、三成一琅さんという、すごい人がいて、三成さんの情熱に突き動かされて、絶対書かなきゃ!って、当時はがむしゃらだった。取材相手に"惚れる"ことはよくありますが、その一人でした。バイクでツーリングに連れて行ってくれる、って言ってたのに、実現する前に、逝ってしまった。泣いて、泣いて。でも、その三成さんの生き様を、がん医療充実にかける情熱を、私なりに精いっぱい、書いたと思う。十分ではありませんが。

人は、いつか、死ぬ。残念だけど。もちろん、私も。だけど、というか、だから、記録したい。

大切にしている言葉に「Keep journal(書き、記録し続けよ)」というのがあります。尊敬するジャーナリストの一人である、東北地方のブロック紙河北新報の編集委員の寺島英弥さんの著書「悲から生をつむぐ」のあとがきにあった言葉です。

正確に書き写すと。「その場にとどまり、当事者と同じ時間を生きるのが、地方紙記者の仕事の本質。『Keep journal』」。まさにこの通り。まだまだ、島根で、記録したいこと、しないといけないことが、ある。よし、やるぞ!原点に返り、気持ちをあらたにさせてもらいました。


ハートフルサロン松江の1周年記念のときの懐かしい写真。三成一琅さん(中央)をはじめとしたサロンの皆さんと。6年前…。我ながら若いなあ、別人のようですね(笑)