自由のドア

島根、ローカルジャーナリズム、ときどき鉄道

2017年の振り返り、出し尽くしたローカルジャーナリスト3年目

2017年の振り返りをしてみたいと思います!!ローカルジャーナリスト3年目の昨年を漢字一文字で表すと「」!! 単行本と修士論文、ブックレット出したし、アウトプット多くて、とにかく出し尽くしましたね(笑)

というわけで、それを踏まえて、まずはタナカテルミ的10大ニュース!

①『関係人口をつくる』出版

毎年一冊本を出すという、独立後の最大の目標。達成できたこと、これが何よりの最大最高の喜びです!!!関係人口というのは、私が思いついた言葉ではないのですが、修士論文の中で出会い、これからの人口減少時代の地域を語るキーワードだと思っていたので、その言葉で出版できて本当にうれしい。

 

修論提出、阪大人間科学研究科賞受賞

どうしようもなく悩んで苦しんだ修士論文。100本以上論文を読み、アカデミズムの思考で物を考えて文章を絞り出すことは想像以上に苦しくて、あまりの苦しさに泣きながら書いたなあ。でもそれが学科の優秀論文賞をもらえて感動で泣きました。

 

③ブックレット(BL)『よそ者と創る新しい農山村』出版

修士論文の一部を切り出し、BLとして出版することができました!小田切先生のおかげです。そうそう、修士論文のタイトルは「人口減少時代におけるよそ者との地域再生」なのですが、このBLも含めて、私が関心あるのは「よそ者」なのだと気付きました。

 

④『ローカル鉄道という希望』交通図書賞奨励賞受賞

昨年出版した本が受賞!この本を書いたときから、交通図書賞は狙っていた、狙っていたというと言葉がアレですが(笑)でも歴史ある賞で絶対ほしいと思っていたので、これも受賞できたときは感激で泣きました。編集者の藤崎さんが素晴らしいスピーチをしてくれたこともいい思い出です。

 

⑤ノーモア三江線運動開始 

大好きなJR三江線廃線が決まり打ちひしがれてましたが、悔しさを糧に一人キャンペーン「ノーモア三江線」を始めました。もう二度とこんな想いはしたくない。そのためなら何でもやる!JR木次線活性化アドバイザーを引き受け、えち鉄、銚電、北条鉄道でイベントも開催したりしました。

 

⑥極食べる通信from島根 創刊

島根に生きる最高の仲間との出会いがあり、12月末に極食べる通信from島根の立ち上げに加わりました。食べる通信とは「食べ物付き情報誌」で、全国39地域で発行されていますが、山陰にはなかったので、出会いのタイミングもあり思い切ってチャレンジしてみることにしました。

 

⑦新図書館建設ドキュメントの連載スタート

ARGにお声掛けいただき、離島の西ノ島町で新築される図書館建設のドキュメント的な連載が図書館専門誌『LRG』で始まりました。未知の分野なので勉強しながらですが、地域の知のインフラとして図書館は関心が強かったので、とても光栄かつうれしく、ありがたいです。

 

⑧東北ローカルジャーナリスト育成プロジェクトに挑戦

運営委員を務めている日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)で、東北エリアでローカルジャーナリスト育成事業に挑戦しました。毎年取り組んできたジャーナリストキャンプの拡大、改良版でしたが、地元の人たちをローカルジャーナリストとして育てる方向性に確信を持ちました。

 

⑨ローカルジャーナリストの教科書(ガイド)プロジェクトスタート

地元の人をローカルジャーナリストとして育てる方向性を確信したこともあり、キャンプは一旦お休み、育成に使う教科書(ガイド)をつくることにまず取り組もうということで、教科書づくりのプロジェクトをJCEJで始めました。心あるジャーナリストが集い、来年完成予定。楽しみです。

 

対馬釜山ボーダーツーリズム参加

ライフワークの一つである、ボーダーツーリズムの推進。今年は、ボーダーツーリズム推進協議会も立ち上がり、モニターツアーではない、日本で初のボーダーツーリズムが対馬釜山で11月に行われ、参加してきました。楽しくあらためて可能性を感じました(記事まだ書けてませんが…)

 

 

以上です。

それぞれのニュースごとに、関係者に感謝!と書いていたのですが、それもしつこいかなと思い(笑)削りましたが、人は一人では生きていけないし、本当にそれぞれのプロジェクトでたくさんの人に関わっていただき、助けていただき、もう感謝しかありません。私に巻き込まれてくれる皆さん、大好きです、いつもありがとうー!!!

しかし、10大ニュースには入れませんでしたが、2017年は大事件がありまして、というのも、生まれて初めて「心の泉が涸れる」という大きなピンチを経験しました。

私は基本的に、いつも異常にやる気があって(笑)原稿を書くときも、ノってくると、泉が湧いてくるようにどんどん湧いてきて、どばーーーーーっと一気に書ける、執筆でタイピングする手が追いつかないときもあるくらいですが、その源泉が、初めて涸れたのです。

二度と同じ過ちを繰り返さないために、敢えて記しますが、年明け1月の修士論文提出のために、いろんな仕事を断るというか延期しまくって「2月にお願いします!」と言いまくった結果、2月に仕事が集中して、2月は15本、講演をしたのです。そのほかに連載とかもありますから、2月はものすごい仕事量で、もう心身共に疲弊してしまい、3月の初めに東北ローカルジャーナリスト育成事業までは何とか、毎日ツラいと思いながら気力を振り絞って頑張っていましたが、終わったとたんにぷつっと何かが切れてしまい。心が空っぽになった感じで、何もやる気が起きない、原稿なんてとても書けない。初めての事態にさすがにどうしようか、このまま復帰できないのではないかと怖くなりましたが、JCEJのメンバーが休め!!!!と強く進めてくれて、恐る恐る休んだ結果、見事に復活しました。よかった。心からほっとしました。あのときに救ってくれたメンバーには感謝してもしきれません。

教訓としては、過ぎたるは及ばざるがごとし、仕事しすぎ、アウトプットはしすぎはダメ。インプットもないと涸れますね。二度と心の泉を涸らさないために、自分を大切に、インプットも大切にバランスを取りながら、今年は進んでいきたいと思います。今年の目標と漢字一字は、またあらためて!

…………

終日オフ

ゆく年くる年出演〜あけましておめでとうございます2018

皆さま、あけましておめでとうございます!!!!!!!

2018年は、記録的な意味も込めて、しっかりブログ書いていきます!!365日は難しいかもだけど300日は書きたいなー。と思って早速今日から。新年で気持ちがあらたまってリセットできるという、この感じ、すごいですよね!私だけかな?笑

12月は、ちょっとすっかり忙しくて余裕もなくて、全然ブログも書けなくて反省。(でもちょっとずつ埋めていきたいなっと…)

前振り長くなりました。2018年の初日は、JR三江線の車内で、浜田真理子さんのカウントダウンで迎えました。大盛り上がり!天空の駅と呼ばれる宇都井駅の列車内で「浜田真理子とゆく天空の歌声列車」というイベントがあり、それに参加してきました。その中で、NHKのゆく年くる年の中継が入っていたのです!0時5分ごろから。

線路は続くよどこまでも♫をみんなで歌って、乾杯したり。楽しかった〜友人の本宮理恵ちゃんや、ちえちゃん、よーこさん、そして仲良くしている島根大の学生たちなど、いつもの?メンバーに「一生に1回くらい年末年始を宇都井で過ごそう!!」と声を掛けて参加したのですが、本当に一緒に1回のいい思い出になりました。幸先いいなと◎ 今年もよろしくお願いします!振り返りなどは、またあらためて!

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(写真は田原さん撮影&提供)

記録的意味を込め、日々の行動&面会記録をできる限り!つけようと思います。自分がいったい年間何人くらいに会っているのか、興味もあります(笑)

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未明「浜田真理子とゆく天空の歌声列車」参加→よーこさん、ちえちゃん、理恵ちゃん(&さらちゃん)、窪西くん、今井くん、薫くん、片岡くんと

午後、松江に移動→薫くん、片岡くん、榎本くん、今井くん@はばたき荘

 

 

 

 

2017年巡り合えてよかった!5冊

毎年お決まりの読書記録。本が大好きなので、結構読む、というか向学のためにも、なるべく読むようにしているのですが、それでも昨年は少なかったかも…アウトプットに結果的に重きが置かれたので…50冊はいっていないような気がする…しかも何を読んだかも記録していない…多いに反省…!今年はもっと読むぞ&記録するぞ!

というわけで、巡り合えて良かった5冊をご紹介します。あくまで私が2017年に巡り合っただけで、必ずしも2017年に出版したわけではありませんのであしからず。

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1)自由からの逃走(エーリッヒ・フロム)

なぜナチズムが生まれ、人々に支持されたのかを描いた本。近代の大きなテーマでもある自由とデモクラシーを踏まえて考察してあります。答えに至るまでの説得力ある筆の進め方、そしてタイトルへの集約。しびれます。私もいつかこんな本を書きたい。時代と社会を鮮やかに切り取り、タイトルで一言で表すというそんな仕事をしたいと強く強く思いました。プロテスタントの影響や本質もこれまであまり知らなかったので、これを知らずに世界は語れないなと、そういう意味でも激しく学びになりました。

 2)個人化するリスクと社会:ベック理論と現代日本

 社会を個人化というキーワードで切り取った本。社会のリスクが増していることを扱っている本はこれ以外にもたくさんあり、読みましたが、一番しっくり来ました。個人化という概念は「家族・階級・企業などさまざまな中間集団から個人が解き放たれることにより、個人による自己選択の余地が拡大するとともに、これらの集団によって標準化されていた個人の人生が多様化し、失業や離婚など人生上のさまざまなリスクを個人が処理することを余儀なくされるという、一連の現象」(はじめにⅱ)です。さらに「正規の学校教育課程を卒業したからといって安定した職を得ることが保証されるわけではなく、結婚、離婚のみならず、就職、離職、再就職、再教育・再訓練もすべて自己責任で選択することを強いられる。ベックやアンソニー・ギデンズは、これによって、自分の人生のみならず自分自身が何者であるかというアイデンティティまでもが、そのつど再構成しつづけなければならないものになると述べている。「語り」によって自分の人生を構成し直す作業は、就職活動をいそしむ若者たちが日々経験していることそのものであろう」(はじめにⅲ)このくだりがかなり腑に落ちて、これからの私が取り組もうとしていることの前提となる問題意識、枠組みに出会えたこと、感謝しています。

3)われらの子ども(ロバート・パットナム)

トランプ大統領の誕生などを通して、米国社会の分断が見えたと感じていますが、その背景を描いている本。端折って言えば、子どもを、地域社会がわれらの子どもというのではなく、わたしの子どもという視点に陥ってしまっていることを指摘している本です。生まれた環境にかかわらず、あらゆる人が可能性を開くことができる社会でありたいと思いますが、それにしても、ここに描かれている世界は壮絶です。日本の未来も予知していると話題になった本でもあります。しかし、2017年のチョイスは、社会学、そして海外の人の本に偏ってますね…

4)永い言い訳西川美和

これまでこの巡り合って良かったシリーズ常連の西川美和。やっぱり私の感性にぴったりなんだもの。どこまでも「生きる」ということを肯定している。死を美化してすべての終わりにする物語は多いけれど、私は好きじゃない。だって死は終わりじゃないから。残された者はそれでも向き合って生きていかないといけない。今回も突然家族を失った人がどう自分の人生を取り戻すのかがテーマなのですが、それがよくある大好きな家族を失ったのではなく、愛が冷めてしまっていた夫婦という設定。しかも小説家(私は小説家じゃないけど、物書きという点では一緒なので、生きることと書くことの意味を深く考えさせられました)。ネタバレになってもアレなので詳しくは紹介しませんが「書いてくださいよ。書かなきゃ駄目よ」という台詞や「自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない」という台詞、琴線に触れて涙なしでは読めませんでした。中でも、特にですね「ものを書く者の葛藤だけが、人間の、解決不能の孤独や絶望に寄り添えるのだ」という一文。当時、心の泉が涸れたときにこの本を読んだので、なんというか、もう号泣して、でも、この言葉を得て、やっぱり私はジャーナリストとして孤独と絶望を抱きしめて向き合って生きよう、やっぱり書き続けようと、立ち上がる気力をもらったというか、泉が再び湧いてくるのを感じたのでした。おっと、ここまで来て、当時この本読んで感動して書き殴ったメモが出てきたので、恥ずかしいですが。

人間は孤独だし、人生は無常だと思う。だからと言って意味がないわけではないし、喜びも幸せもあるし、一瞬一瞬を、そして関わった人を大切にして生きていくこともできる。すべての人は生きる意味があるし、幸せになれるし、希望はある。人生に幸あれ。Life is beautiful.

矛盾や葛藤、孤独や絶望は人生にはある。だからこそ、私は希望を描くジャーナリストでありたい。絶望の中に希望を見出すヒントを示したい。特にローカルに生きる人の。

 一人でアツく盛りあがってますね…イタいというか…恥ずかしすぎる…笑 まあいいか、これも人生の記録ということで。

5)舟を編む三浦しをん

 続いて小説。最近はほとんど小説は読んでいなかったのですが、心の泉が涸れたときにむさぼるようにして久々にたくさん小説も読んで、やっぱり本って、物語っていいなあと心から思いました。三浦しをんは人気作家ですよね。私は西川美和の複雑さの方を愛していますが、三浦しをんさんのシンプルで素直で読後感がほっこりなのも悪くないです(※ファンの方ごめんなさい、あくまで私の感性です)。この時期『神去なあなあ日常』と『舟を編む』を読み、舟を編むは辞書をつくる編集者の話で、やっぱり物を書いて表現するという共通することがあったので、心の泉の復活に役立ちました。

 

 

 

JCEJの2017年総会を開催

一般社団法人・日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の運営メンバーで、2017年の総会兼忘年会。東北ローカルジャーナリスト育成プロジェクト、フェイクニュース対策、ローカルジャーナリスト教科書づくり…1年を振り返り、たくさんの心ある方々に支えられて活動できているとあらためて感謝です。至らない点も多々あったかと思いますが、本当に本当にありがとうございました!

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島根(ローカル)とJCEJ(ジャーナリズム)が私の活動の大きな基盤です。JCEJでは2018年、引き続きローカルジャーナリストの教科書と、耳塚さんメインのフェイクニュースのプロジェクトを進めます。

ローカルジャーナリストの教科書は、春には完成して、出版記念のイベントやワークショップもしていきたいと思っています。ぜひ、いろんな方といろんな形で取り組んでいけたらと思いますので、何か思いついた方はお気軽にお声掛けください◎ 来年も変わらずよろしくお願いいたします!

中国地方ローカル線ファンミーティング@山口・錦川清流線キハ40内

心に火が付いた感じの方がたくさんおられて、なんだか感激で胸がいっぱいになりました…!中国地方ローカル線ファンミーティング@山口・錦川清流線キハ40内。

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中国エリアを中心に約30人が参加。交流会で聞いたのは「心が折れそうだったけどやっぱりやるしかない」「希望が見えてきた」「できる限り動きたい」といった声です。ローカル鉄道を地域に活かすためもっと自分から動こう!ということで、私も諦めずに自分ができることをしていきたいし、そのためにもこういう人のつながりが大事なので!

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今回のご縁で早速、山口大学鉄道研究会の学生さんと一緒に、山口でも一緒にローカル線を盛り上げるイベントをしよう!ということになりました。楽しみすぎるーー

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貸切列車の運行は人がちゃんと集まるのか胃が痛くなると思いますが、企画運営してくださった安芸矢口企画さん、そして参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました◎ まだまだこれから、一緒によろしくお願いしますー!

しかし、やっぱり、なんと言っても鉄道好きの人たちばかりの空間は、楽しくて楽しくて、愛が溢れていて、うん、最高に楽しかったです。

<告知>来年2月11日(日)午後、JR木次線木次駅そばの会場で、ローカル線の未来を考える大きなイベントを開催します。詳細はいま詰めているのですが、ローカル線の再生に興味がある方はぜひ予定を空けておいてください!!

https://www.facebook.com/events/1578903735500086/

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しまね未来探訪(33)NPO法人エスペランサ

22日(金)付、山陰中央新報での連載「しまね未来探訪」は、日系ブラジル人など外国にルーツを持つ子どもたちの居場所づくりをしているNPO法人エスペランサ。ぜひぜひ読んでほしいです!

子どもたちの、のびのびした笑顔。課題は多くて何か一つの取り組みだけですぐ解決できるわけではないのですが、エスペランサの堀西さんと何回もやりとりする中で、大切な視点に気付かせてもらいました。

取材相手から学び、エネルギーをもらう日々です。ジャーナリストっていい仕事だなとやっぱり思います。

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鹿児島、奈良、広島からの移住女子たちとクリスマス鍋パーティー

鹿児島、奈良、広島からそれぞれ島根に移住してきた女子たちと、少し早いクリスマス鍋パーティー◎ 彼女たちが楽しく活動して、その延長線上に地域のハッピーもある。そんな島根でありたいし、できる限り応援しようと奮い立つ夜。三成由美ちゃんも交え、たくさん笑ってとっても楽しかった。みんなありがとう!お互いがんばろー!

告知:来年2月11日(日)午後、JR木次線木次駅すぐのチェリヴァホールで大きなイベントをします。彼女たちも登場し(※予定)地域の魅力と愛が詰まった面白いものになりますのでぜひとも来てくださいっっm(゚▽゚* )☆

https://www.facebook.com/events/1578903735500086/

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